旅行二日目 マイエンフェルト編「ハイジの故郷を歩く」 |
チューリヒから列車で一時間15分かかり、パートラガッツへ移動。スーツケースを駅のコインロッカーへ預け、リュックを背負ってマイエンフェルト駅ヘ向かった。
マイエンフェルトは2500人余りの小さな村で「アルプスの少女ハイジ」の故郷だ。「ハイジ」を原作に作られた日本アニメ「アルプスの少女ハイジ」の背景画もこの周辺の風景をもとに描かれた。マイエンフェルト駅近くのハイジショップでコースを確認。コースは「ハイジの泉」、「ホテル・ハイジホフ」、ハイジのテーマパーク「ハイジドルフ」を見学する一時間半の初心者向きコースだ。ちなみにマイエンフェルトのハイキングコースには「赤の道」とよばれる一時間半の初心者向きコースとハイジが暮らした山小屋を訪れる4時間の健脚向き「青の道」コースがあった。
ブドウ畑の続く緩やかな小高い丘の坂道を上り、マイエンフェルトの山や町並みを望む風景は絶景だった。ブドウ畑の続く道を過ぎて木々に囲まれた草原と林の中を進むと広い道路を隔てた向かいの広場に「ハイジの泉」があった。「ハイジの泉」はハイジがおじいさんに頼まれて冷たい水を汲むシーンを再現したモニュメントだ。ここから標識に従い草原を折り返してマイエンフェルトの村を一望できる「ホテル・ハイジホフ」を目指した。途中、雨足が強くなり、雨カッパを着用し、傘をさしての歩きとなった。ホテル・ハイジホフのレストランでゆっくり休憩と食事。歩き最後の「ハイジドルフ」はハイジが暮らした家のモデルとされるハイジハウスやミニ牧場などがあり、ハイジのテーマパークとなっていた。日本人観光客も多く訪れるらしくショップ案内板には日本語の表示があった。
このコースの歩きの所要時間は1時間30分だが「ハイジホフ・ホテル」でゆっくり昼食・休憩し、ハイジ博物館を見学、草花の観察や写真を撮りながら歩いたので5時間近くかかった。時間をかけて歩いた分、ハイジ村の風景や歩きの思い出を胸に深く刻むことができた。次回、再訪する機会があったら赤の道コースのハイジアルプとルバァの森を訪ねたいものだ。それもブドウがたわわに実る秋の季節に。この日の最後の行程は贅沢すぎるバートラガッツの「タミナ・テルメ」での温泉入浴。ここでゆっくり疲れを癒し、二日目無事終了。
|
|
|
マイエンフェルト風景 |
ハイジドルフ ハイジの家 |
|
|
ハイジの故郷 ハイジ村歩き 出発(10:50) |
|
|
マイエンフェルト駅と2010年春にオープン移転したハイジショップ |
|
|
案内標識を頼りに出発、最初は村内を歩く。 |
|
|
マイエンフェルトの街風景 |
|
|
ブドウ畑の続く緩やかな坂道をゆっくり上る。ブドウは今の時期、新芽が伸び花を付けていた。 |
|
|
坂道の途中で歩いてきた道を振り返ると牧歌的なほのぼのとした風景が浮かんだ。道路脇のボックスは散歩犬の糞を回収するボックス。 |
|
|
坂を登り切ると草原の中、狭い道端にはブドウ園とお花畑が続く |
|
|
道は林の中へ続き、マイナスイオンたっぷりで深緑と野鳥のさえずりが足取りを軽くした。 |
ハイジの泉 11:50 |
林を抜けると道路向かいに公園が。ここが目的地のひとつ、「ハイジの泉」がある公園だ。「ハイジの泉」はハイジがおじいさんに頼まれて冷たい水を汲むシーンを再現したモニュメントで1953年、ハイジを記念して子どもたちの募金で建てられた。 |
|
|
ハイジの泉がある公園、公園一角にトイレあり。 |
|
|
ハイジの泉と一帯の風景 |
ホテル・ハイジホフ (13:17) |
マイエンフェルトの村を一望できるホテルレストランで一休み。アルプスの少女ハイジの村に、ぽつりとあるホテルで周辺は静かで、きれいな緑の草原が広がっていた。 |
|
|
ハイジの泉から「ホテル・ハイジホフ」へ |
|
|
「ホテル・ハイジホフ」のレストランで食事をしながらゆっくりくつろぐ。 |
ハイジドルフ |
ハイジドルフはハイジが暮らした家のモデルとされるハイジハウスやミニ牧場などがあるハイジのテーマパークだ。ハイジハウスの各部屋には当時を偲ぶ生活用品や道具が所狭しと置かれていた。部屋の一角には世界各国のハイジの本紹介コーナーがあり、日本のアニメの本も紹介されていた。日本人観光客が多いらしくハイジショップ案内板には日本語表示もみられた。 |
ハイジハウス全景 |
リビング室のハイジとペーター |
当時を偲ばせる生活用品 |
世界のハイジ書籍コーナー |
ハイジショップ入り口の案内板には日本語も表示されていた。 |
|
アルプスの名湯を楽しむ「バート・ラガッツ」 |
昼間はマイエンフェルトのハイジ村を歩き、夜は疲れをいやすべく温泉へ。「タミナテルメ(Tamina Therme)」温泉はホテルから歩いて10分ほどのバート・ラガッツにあった。アルプスの物語にも登場する名湯だ。「バートラガッツ・リゾート」のホテルにあり、かなり高級感のある施設だ。入浴料はカギの預かり料を含めて26スイスフラン(当時1スイスフラン=95円)。屋内温泉プールと屋外温泉プールがあり、ジャグジーや水流マッサージ、打たせ湯など入浴法の違いや湯の温度の違いによってコーナーが仕切られていた。湯の温度は最高が37度なのでのぼせや湯冷めがなく、のんびりと長湯が楽しめた。
スイスの温泉は共通して水着着用で男女混浴が基本だ。スイスにはここバート・ラガッツの他に温泉が20ヶ所以上、約250種類あり、古くはローマ時代から知られ、中世には湯治と社交の場として発展したといわれる。 |
|
|
バート・ラガッツにある「タミナテルメ(Tamina Therme)」温泉の外観 |
|
リンデン(菩提樹)茶を楽しむ |
チューリヒのリンデンホフの紹介をしたがリンデン(Linden) とはドイツ語で、”菩提樹” の意味でスイスに限らずヨーロッパでは街路樹として各地に植えられていた。ハイジドルフのショップの中庭にも大きな木の菩提樹が花をいっぱい咲かせていた。リンデンのことを訪ねると店のオーナーは、ていねいに茶の効用や作り方を紹介してくれた。これを機にすっかりリンデン茶に魅入ってしまった。 |
|
|
ハイジドルフショップ中庭の花を付けたリンデン(菩提樹) |
|
|
いただいた手作りリンデン茶 |
|
|
リンデン茶は茶パックでも販売されていた。 |
|
追記:シューベルトのリンデンバウム〔菩提樹〕に歌われている木でヨーロッパでは街路樹や公園樹として植えられている。リンデン茶は花のついた葉を乾燥させるだけでスイス人にとってはメジャーな飲み物だ。リンデン茶は、神経を静め、安眠の効果があり、花にはビオフラボノイドという成分が含まれていて、動脈硬化の予防に役立ち、木質部はダイエットに役立つらしい。釈迦が悟りをひらいたといわれる【菩提樹】はクワ科のインドボダイジュ〔印度菩提樹〕で「リンデン」とは異なる。 |