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方言探訪・ふるさとの伝統祭り 方言は地域の伝統芸能や祭り等の文化と密接に結びついており、春祭り、正月行事、神楽舞等の祭りを探訪すると、方言の世界が生き生きと表現されていた。
伝統行事の春祭りで見られる鹿児島方言の世界
志布志安楽神社に奉納される打植祭では、境内を田に見立て、「田打ち」「牛使い」「種蒔き」「田植え舞」「カギ引き」等の打植祭が行われる。「ビョービョー」とベブ(牛)を呼ぶと牛(人が扮し牛面をつける)が登場。馬鍬(モガ)をひいて田ならしをする。田の神さあが牛にちょっかいをだし、田の神さあと牛とのユーモラスな所作が会場の笑いを誘う。志布志山宮神社春祭り 神楽で舞われる田の神舞は即興の方言寸劇で舞われる事が多く、舞の中に地域の方言が生き生きと表現されている。農民の田吾作がダゴ祭りにきた田の神の後をついて回り、田の神の持っている道具をねだり、使い方までならって譲り受ける。最後はメシゲやスリコギだけでなく、田の神の大切な持ち物ガッサイまでも欲しがるが・・・。語らいは臨機応変である。(志布志田之浦山宮神社の春祭り「だご祭り」の田の神舞)だご祭り神舞
 新暦2月から3月にかけて各地の神社を中心に一年の豊作を予祝して行われる祭りで「打植祭り」「春祭り」「お田植え祭り」など名称は変化に富む。特に稲作文化の息付く大隅半島の各地に多く残る。祭りには田の神、模型や人の扮したたベブが登場し、田打ちや牛使いの様子が方言を交えて、ユーモラスに演じられる。
○ベブ(牛)○モガ(馬鍬
○コー(牛に掛ける声で、右へ進めの意。
 ○「カタゲチョライ シナハ イケナンコツシテ ツコムンナオ」(背負っている品物はどんな風にして使うのですか)。
○「ムカシャ セロデ コメヲ オミタイ ミソンコズ ツクッタイ シカテ コイデコラ グリッ グリッ カワサンナ イカンムンジャッタ」(昔はセイロで米を蒸したり味噌麹を作ったりするときこれを使ってクルリクルリひっくり返さないといけないものだった)。 
○カッタ ケコガ イタゴヤッ(何だかけいこがいったみたいだ)
○カザをカザム(臭いをかぐ)
○ハヨもどらんとヨガヘッド(早く帰らないと日がくれる)
○コンタア クエがならん(これだけはあげるわけにいかない)
 
 鹿児島の正月行事「臼おこし」で見られる方言の世界
大隅半島の一地域には正月の元旦に行われる「臼(うす)おこし」の行事が残る。元旦の夜、子ども達が無病息災や五穀豊穣を願って「コタコタコンコン」と「臼おこし」の歌をうたいながら集落内の各戸を回る正月のめずらしい伝統行事だ。子どもたちへはほうびとして、餅やミカン、菓子などが振る舞われる。正月行事「臼おこし」
 
鹿屋市吾平立元集落の「臼おこし」動画  方言で歌われる「臼おこし」うた
年の初めの黄金のコンツを
つきおこす
コタコタコンコン
うすはとつくい きねはなるかね 
かっぱからだけ
コタコタコンコン
ここはぶげんしゃ かねはなるかね
コタコタコンコン

うすはとつくい きねは鳴るかね
 かんぱから竹 踊や白酒
コタコタコンコン 
ここは分限者 金はぞつくいぞつくい
コタコタコンコン 

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