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志布志山宮神社の「ダゴ祭り」志布志市志布志 |
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春到来を告げる志布志山宮神社の「ダゴ祭り」 |
志布志市山宮神社の「ダゴ祭り」は県内で一番早い春祭りで現在は2月の第一日曜日に開かれる。ダゴ祭りは、「神舞」と「ダゴ花」の奉納からなり、ダゴ祭りの神舞奉納では現在20段ある舞の中で6段ほどが舞われる。神舞奉納後は祭りのメイン、ダゴ花争奪戦がにぎやかに繰り広げられる。「団子花」(だごばな)は、長さ約2メートルの孟宗竹の先にワラツトを巻き付け、紅白の団子の竹串や金柑、椿の花などが飾り付けされている。団子の竹串は稲穂の代わりであるとされる。いただいたダゴ花は縁起物として持ち帰り、食べたり、家に飾ってその年の五穀豊饒、無病息災を願う。1991年に県無形民俗文化財に指定。 |
ダゴ祭り |
ダゴ祭りは毎年第一日曜日に開催され、多くの参拝客や見物客でにぎわう。毎年過疎化が進み中で、地域活性化の一翼も願って開催されるダゴ祭り、保存会を中心に小・中学生もダゴ花作りや舞に参加し、祭りを盛り上げる。 |
地区内12集落と田之浦小・中学校の子どもたちが作った奉納花ダゴ。 |
紅白のダゴ(だんご)を中心にツバキや梅の花、キンカンなど季節の草花や野菜・実物で飾り付けされた花ダゴ |
神事が終わり、ダゴ花争奪の瞬間を迎える。 |
祭りのメイン、ダゴの争奪風景。人々は争って花ダゴをもらい受け、持ち帰ったダゴを食べたりダゴ花を飾って無病息災・五穀豊饒・家内安全を願う。 |
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ダゴ祭り風景↓ |
各集落から奉納された「だご花」 |
参拝客で埋まる境内に次々に運び出される「だご花」、祭りのピークを迎える。 |
係員の指示と合図で「ダゴ花争奪戦」が始まる。 |
きれいなダゴ花はあっという間に「つと」だけが残る。 |
手にしただんごを見せ合ったり、分け合ったり、境内内は笑い声と弾んだ会話に包まれる。春はもうすぐそこまできているようだ。 |
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PS;「団子」のことを鹿児島の方言で「だご」と呼ぶ。「かからんだご」「けせんダゴ」etc。 |
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志布志山宮神社神舞 |
だご花の奉納とともに古くから行われているのが、神舞奉納だ。昭和17年より一時途絶え、昭和58年、地区の有志によって復活され、現在、田之浦山宮神社神楽保存会によって伝承されている。昔は33段が舞われたと伝えられるが現在は、彦舞、童鬼神舞、帯舞、稚児鬼神舞、弓舞、田の神舞、四方鬼神舞等20段が復活し、ダゴ祭りではそのうち6段が奉納される。この神舞で着用される麻の舞衣(めぎぬ)は、この地方の特産品であった志布志織りを使用しているという。2009年、2011年のダゴ祭り神舞から |
PS;当地では「神楽」のことを「神舞」、「かんまい」又は「かんめ」と呼ぶ。 |
彦舞(ひこまい):神楽殿を始め、四方を祓い清める先祓いの舞で常に一番前に舞われる。手に榊と黄・赤・紅・白・水色のリボンを付けた「ガッサイ」を持つ。頭(かぶり)は毛がしら(毛笠)の赤天狗面。 |
最後は台の上でお祓いの所作をする。 |
帯舞(おびまい):舞人は二人で一人は白帯、もう一人は赤帯を持つ。襷を舞の仕種のなかにまとめ、ヤアーとかけ声を掛けながら舞う。 |
帯舞 |
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長い帯を巧みに操りながらの勇壮な帯舞 |
童鬼神舞(わらべきじんまい)、児鬼神舞(こきじんまい):装束は白足袋に赤帯、毛がしらの面。手に扇子とトッポーを持って舞う。子どもの神舞として受け継がれている。 |
童(わらべ)鬼神舞 |
童鬼神舞 |
児鬼神舞 |
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薙刀(なぎなた)舞:一人舞。白装束の出で立ちで薙刀を振るいながら、ヤーと掛け声をかけなが舞う。最後は回転をしながらの荒技がとびだす。 |
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薙刀舞 |
弓舞(ゆみまい):二人舞。白装束で背に二本の矢を負って舞う。狩りの所作を舞にしたもので、最後に舞台中央の的を射り豊作をうらなう。 |
弓舞 |
今年の運と豊作を占う弓舞 |
田の神舞(たのかんまい):豊作を祈り、豊作に感謝して舞われる田の神舞。農民の田吾作が田の神の後をついて回り、田の神のもっている道具をねだり譲り受ける。田の神と農民の田吾作とのユーモアを交えた方言の掛け合いと所作が会場の笑いをさそう。田の神は腰にスリコギを差し、手にはガッサイとメシゲをもつ。 |
田吾作と田の神のユーモラスな方言掛け合いで境内は笑いの渦につつまれる。 |
田吾作は田の神の後をついて回り、田の神の持っている道具をねだり、譲りうける。 |
田の神の装束は白面に蓑(雨具)を着て、コシキ(甑)を被る。 |
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動画で見る田の神舞 |
映像時間、フレームサイズ、画質ともに縮小して編集しています。 more→田の神舞と方言 |
四方鬼人舞(しほうきじんまい):四人舞。四人とも赤帯、それぞれ赤、青、黒、白の面と毛がしら(毛笠)、背には面と同色の幣を差す。手に扇子とトッポーを持つ。地位や権力を象徴する鉾をそれぞれの神々が奪い合う舞である。 |
四方鬼人舞 |
黒面は南方の神 |
青面は西方の神 |
赤面は東方の神 |
白面は北方の神 |
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舞台中央の「鉾」をそれぞれの神々が奪いあう四方鬼神舞。最後は青面と赤面の激しい争いの末、遂に赤面が鉾を手にする。 |
鉾鬼神舞(ほこきじんまい):一人舞。赤帯に赤面と毛がしら。手に扇子、トッポーを持ち、トッパを背に差す。地位と権力の象徴である鉾を得るために、大変苦労するという仕種を、舞としたものである。 |
鉾鬼神舞 |
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鉾鬼神舞 |
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神舞用語一口メモ:毛がしら(毛笠のことで、丸い厚紙に馬のたてがみを縫いつけてある。面をつけたとき頭にかぶる):トッポー(トビ棒ともいう。角棒に色紙を巻き、両端に飾りの房をつかたもの):トッパ(羽団扇である。矢羽根のような紙で作った長さ50cmの羽を、放射状に六枚つけている) |
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