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頴娃(えい)町の方言 | |
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鹿児島県南九州市頴娃町の紹介 | |
頴娃町は2007年12月に川辺郡川辺町、川辺郡知覧町と合併し、南九州市となった。頴娃町は薩摩半島南部、東シナ海に南面する町。カライモ(サツマイモ)畑と茶畑がひろがる農業の町です。特に茶は気候にめぐまれ、丘陵地が多く立地条件に恵まれ良質な茶が生産されている。 |
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頴娃町の方言の特色 | |
薩摩半島南部の開聞町、頴娃町あたりでは頴娃語(えいご)は英語といわれるぐらい独特な特徴があるようです。次の三つの特徴があります。まず「濁音」がよく使われます。ことばのとちゅうの「かきくけこ」「たちつてと」が「ガギグゲゴ」「ダヂヅデド」になります。二番目に使い方による男女の差が少ないこと。最後に独特の感嘆詞がつかわれることです。原因は九州薩摩半島南端にあり南方からの黒潮に乗った海の伝承の影響とも考えられます。薩摩半島南部の方言は東北弁に近いという人もいます。この地域は最も古い鹿児島弁が残っていると言われています。それだけに鹿児島弁を調べるのに研究価値の高い地域かと思われます。頴娃地域のコトバは、さらに『鼻音』『鼻濁音』が多く使われてるように思います。
参考文献・書籍:郷土の研究「方言を調べよう」(監修・佐藤亮一/指導・木部暢子)。九州地方の方言(図書刊行会」等 |
頴娃町の方言の文例紹介 |
ミゴデ |
「マダ ミゴデ ケシッ ヂャッドナー。」 |
共通語:「またみごとな景色ですね。」 |
使い方:「ミゴデ」は、共通語の「みごと」にあたることばです。頴娃町では、ことばのとちゅうの「かきくけこ」「たちつてと」が「ガギグゲゴ」「ダヂヅデド」になるので「ミゴデ」となります。「ヂャッド」は、「そうだね」と相手にあいづちをうつときに使います。 |
PS:当地(鹿屋市)では「ミゴチ」とか「ミゴテ」と言います。マタ ミゴチ ケシッヤッドナー |
ホンノコヂ |
「コン ユオハ マダ イギッチョッド。」 「ホンノコヂ イマニモ トッカガックソナ フーヂャニ。」 |
共通語:「この魚は、まだいきているよ」 「ほんとうに今にも飛びかかってきそうにしているね。」 |
使い方:「ホンノコヂ」は「ほんとうに」の意味です。「ホンノコヂ ニュッカ」(ほんとうに暑い)などともいいます。 |
PS:当地では「ホンノコチ」と言います。「ホンノコチ ヌキムンジャ」 |
フトガ |
「フトガ カライモガ ワッゼーガシコ トレモシタナー」 |
共通語:「大きなサツマイモが たくさん とれましたね」 |
使い方:「大きい」ことを「フトガ」といいます。「小さい」は「コマガ」といいます。「ワッゼーガシコ」はたくさんという意味です |
ワゲッ |
「コン カライモヲ ワゲッ クイヤイ。」「フタッミッ モッヂガンカナ。」 |
共通語:「このさつまいもを分けてください。」「二つ三つもっていかないかね。」 |
使い方:「ワゲッ」は「分けて」。「クイヤイ」は「ください」ですから「「分けてください」となります。 |
ニュッカ |
「ニュッカ ニー コニュン ニュッカ ヒワ オヨンカダガ イッバンジャ。」 |
共通語:「暑いなあ。こんな暑い日はおよぐのがいちばんだ。」 |
使い方:『暑い」ことを「ニュッカ」といいます。「−カダ」は「−すること」という意味です。 |
上記頴娃町の方言例のように「鹿児島の方言」と一口にいっても「文法」「アクセント・音声・音韻」等の語法のちがいにより、大きな地域差があります。