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 熊野古道「大門坂」 和歌山県那智勝浦町  
 世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」を巡る~大門坂ウォークと巨樹巡礼~ 
大門坂(だいもんざか)は、和歌山県の那智勝浦町にある世界遺産=熊野古道の中辺路の一部で古来よりその面影をもっとも色濃く残している場所だ。古道に一歩足を踏み入れると樹齢800年の夫婦杉や楠の巨木、樹齢300年以上の杉の木立が立ち並び、苔むした古道がかつての熊野古道の雰囲気を醸し出していた。古道の途中には熊野参詣道中辺路最後の王子社「多富気王子(たふけおうじ)」や通行税をとったとされる「十一文関所跡の史跡」等が当時の面影をしのばせていた。HP作成日2012/06/05   探訪日2012/05/21
 老杉やヒノキ、楠等の巨樹・巨木に囲まれ苔むした「大門坂」の古道
熊野古道 大門坂ウォーク&巨樹巡礼
   
 大門坂入り口の世界遺産熊野古道の石標
 
古道入り口付近は人家があり、奥に鳥居が見えてきた。
   
入り口から歩いて5分ほどの鳥居手前には、 南方熊楠が3年近く(明治35年1月12日~明治37年9月30日)滞在したとされる大坂屋旅館跡があった。関所の遺構(石造の流し台・石造の石船)の案内立て札(左写真)。新宮藩の関所跡(十一文関)の案内立て札(右写真)・・・下記追記
鳥居をくぐると、振ヶ瀬橋(ふりがせばし)という小さな橋があった。この橋が俗界と聖域とを振り分ける境の橋だという。
   
 橋を渡るとすぐに大門坂茶屋があり、平安衣装の貸し出し(有料)を行っていた。
 
参道入口付近には樹齢800年の対の大杉「夫婦杉」が門のように立っていた。・・・下記追記
   
 山道途中には熊野参詣道中辺路最後の王子社で、多富気王子(たふけおうじ)の史跡があった(左)。一町石(右)・・・下記追記
 
山道の杉や楠の巨樹が道行く人々の足を立ち止まらせていた。
   
樹齢800年と記された楠の大木 
 
 樹齢数百年の深い杉木立の中に囲まれた山道がかつての熊野古道の雰囲気を醸し出していた。
   
 古道はまだ続くがこのポイントから大門坂を後にして熊野那智大社・那智山青岸渡寺へ向かう。
 追 記
追記1: 南方熊楠(みなかた くまぐす)。1867年 - 1941年。日本の博物学者、生物学者(特に菌類学)。民俗学者で菌類学者としては粘菌の研究で知られている。和歌山県に生まれ、田辺市に居を定め、その生涯を在野で過ごし多くの論文と功績を著している。

追記2:大門坂の夫婦杉。樹齢800年、 高さ55m、幹周り8.5m

追記3: 王子社とは、熊野の神様の御子神(みこがみ)が祀られ、参詣途上の儀式を行い、休憩所や参拝の準備を兼ねた場所。熊野古道沿いにはたくさんの王子社があって、「九十九王子」と呼ばれている。大門坂の多富気(たふけ)王子は、樹霊や峠の神仏に「手向け(たむけ)」をした場所でもあり、那智山の霊所に入ることを確かめて身心を清める場所であったと考えられている。
追記4:町石の「1町=約109メートル」.。大門坂には全部で「6町」の町石が立つ。
熊野那智大社・青岸渡寺へ 
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