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色々なケナフ紙の作り方を紹介します。「ケナフ&牛乳パックで紙作り」はこちらへ作品紹介


このページはこれまでの実践や体験をもとに紹介しています。
その1 レッティング処理(水中の微生物を使った精錬)によるケナフ紙の作り方
レッティング処理とは:水を使い、表皮などを微生物にたべさせ、繊維だけをとる方法です。
レッティング処理について:川や池につけてレッティングする方法がありますが川の水をよごす心配があり
ます。そこでポリバケツに水を入れケナフの皮をひたしておく方法は環境にもやさしく便利です。
火や薬品を使わずに作る方法で少々時間がかかるが自然にやさしいケナフ紙のつくり方である。
方法
皮をむきます。 レッティングの準備をします。
ケナフの茎を刈り取ったら、
すぐケナフの皮をはぎます。
(時間がたち乾燥してくると
皮がむきにくくなります。)
根っこの方からむくのが
こつです。
ポリバケツの大に水をはりふたをしてつけておきます(左図)。水につけておく目安は20日ぐらい。季節によってもちがいますが、表皮が自然にはがれるのを目安にします。
アドバイス:バケツにつけておくと強い臭いがしてきます。EM菌などの有用菌を使うとあまり臭くありません
レッテイング処理したケナフ レッテイングしたケナフ繊維を細かくします。

レッテイング処理したケナフ繊維
できた繊維はよく乾燥させ保存します。レッティング処理した繊維をとっておくと一年を通じて
いつでも紙やひもの原料として使うことができます。
レッティング処理したケナフ繊維を細かくします。
ハサミ等を使って繊維をなるべく細かくする。ここがポイントです。大変難儀ですが完成したときの喜びは大です。

道具の準備をします
準備する道具や物:
ケナフ繊維(レッティングした繊維をなるべく細かくします。)細かくするにはハンマーでつぶしたり、ハサミ、カッター等を使い細かく切りきざむ。
切りきざんだ繊維をミキサーに入れ、水を加えてよく混ぜ合わせドロドロにします。
 ミキサーにかけた繊維をいったんボールに移し、手ですくって水気を切り、30グラムずつの団子に丸めます。
(水切りの具合によりますが、大体、団子一つでハガキ一枚です。)
注:ミキサーにかける時、新聞紙や牛乳パックの古紙をちぎってケナフ繊維と混ぜるとつなぎがよくなります。新聞紙のかわりに使い古した障子紙や習字紙を使うと白っぽい素地の紙にしあがります。
型わく
上図のような型わくがあると便利です。自作する時、型わくに使うあみはなるべく目の細いあみ(100から120メッシュ)を使います。
 アイロン
原則としては天日で乾燥させますが、はやくしあげたい場合に限ってアイロンを使用します。(環境への負荷が問題)
アイロンをかける場合、すき上がったら良く水切りをして吸水性のよい布にはさみアイロンかけをします。
紙すき用容器(いしょう缶ケース、水槽、せんたくだらい等):ミキサーにかけたケナフ繊維を流し込みます。同時にせんたくのりを少々混ぜてかくはんし、ケナフすきの準備が出来上がり。ケナフ繊維のとけこんだ水をすきます。
以下:紙すきの順序と実際を紹介します。
@レッティングしたケナフ繊維を細かく切る。
熱処理や薬品処理しないのでここの作業が
ポイント。
Aミキサーにかけた後、いったんボールに移すか、そのまま水をしいた容器に流し込む B紙すき用型型枠のじゅんび
C木枠の型で紙をすく。もみじの葉をアレンジ D天日でかわかす。いそぐ時は
アイロンをかけで仕上げる。
Eできあがりの作品
ケナフのかみすきをしてはがきをつくりました。最初はうまくできるか心配だったけどうまくできてよかったです。ケナフの紙はふつうの紙とちがうけど自然の感じがでてとてもよかったです
私はケナフの紙すきをしてもみじの葉とイチョウの葉をはさんでつくりました。すいた紙を布にはさんでうらと表にアイロンをかけました。もみじの葉もイチョウの葉もきれいにうきでてとってもいい作品ができあがりました。
4年生ケナフ日誌より
レッティング処理した繊維使用による作品 薬品処理した作品
レッティング処理した
ケナフ繊維のみ使用
した作品
レッティング処理した
ケナフ繊維に新聞紙
の古紙を混ぜた作品
レッティング処理した
ケナフ繊維に習字紙
の古紙を混ぜた作品
タンサンや漂白剤
を使って処理して
作った作品
表面があらい 表面がなめらか なめらかで白っぽい 薬品処理した作品
はクリーム色がかっ
ている
レッティング処理したケナフ繊維のみで作った作品は表面がややあらっぽくしあがる。
丈夫さは十分ある。用途に応じて使用したい。新聞紙の古紙をまぜると表面がなめらかに
なり文字も書きやすい。古紙の習字紙や障子紙の和紙を混ぜると表面がやわらかく白っぽい
紙に仕上がる。他にも白っぽい紙の作品に仕上げる方法として、レッティング処理した繊維を
台所用や洗濯用の漂白剤に一晩浸しておく方法がある。
ケナフ繊維と牛乳パックのパルプを混ぜて作る作品もおもしろい。
一番右の作品はタンサンを加え熱処理した作品である。できた紙の色がクリーム色っぽく
しあがるのですぐわかる。作り方は下に示す。

その2 薬品しょりによるケナフ紙の作り方
作り方の順序
@煮込む A細かくする Bミキサー Cたんさん D煮込み繊維 Eミキサー F紙すき G乾燥
@はいだ皮を短く切って20〜30分煮る。
A表皮をこそげ取る(レッティングすみのものは省可)さらに、小さく切る。なるべくこの過程でやわらかくこまかくする。(はさみで小さくきりきざむ。木づちでやわらかくする。等)大量の場合はうすを使う。(もちつきの要領で)
Bミキサーに2〜3分ほどかける。
Cタンサンを入れ、4〜5時間煮込む。
D煮込んだ繊維。ここでサラシ粉を混ぜると白い繊維になる。
Eミキサーに2〜3分ほどかけてから、せんたくのりを少し混ぜてたらいの水に流し込む。
F木わくの型で紙すきをする。ケナフ繊維がむらのないようにすきあげる。
G水切り後、すいた繊維を綿布にはさみアイロンをかける。乾いたら直接アイロンをかけ、滑らかにする。

その3 ケナフ紙の作り方、その3を紹介します。イベント向き
本校の秋祭りの紙すき体験コーナーはこの方法でしました。









環境にやさしい「ケナフ」の紙すき

ケナフ紙の作り方、その4,ここのページは鹿児島ケナフの会」の資料を参考にして紹介しています。
用意するもの 
・ケナフの皮 270g
・ソーダ灰   70g(生のケナフはよくたたけばソーダ灰はいらない)
・紙すきキット(金網を張った木枠)
・なべ(ソーダ灰をいれ繊維を柔らかくなるように煮る)
・ハサミ(繊維をミキサーに入れる前に小さく切る)
・ミキサー(繊維を細かく砕きます)
・蒸し器(乾燥した皮を使う場合)
・アイロン(すいた紙を乾かす。重しをして自然乾燥でもよい。
・木づち(ケナフの皮をたたき柔らかくします。)    

参考:ソーダ灰(無水炭酸ナトリウム)は薬局で販売しています。
   JISの規格がありますがケナフの紙すきの場合メーカー規格一級でよい。
   キロ当たり500円程です。生のケナフの皮を使える時期は短いので乾燥皮か
   繊維の状態にして保存します。    
紙すきの方法と順序
@レッティングで下ごしらえをする方法
川や池、プールの水を使い、ケナフをつけ込み表皮等を微生物に食べさせ、繊維だけを採る
方法です。幹のままか、皮だけをひもでくくり、浮いたり流されたりしないように重しに石やブ
ロックを使い押さえて水につけこみさらしておきます。
流水では15日から一ヶ月程できれいな繊維がとれます。貯まり水のほうが生分解は早くな
ります。出来た繊維はよく乾燥させ保存します。この繊維は紙すきにもひもづくりにも使えます。
 
A蒸解洗練で紙の素(パルプ)を作る方法
きれいな紙をつくるのに表皮を削ってください。
木づちでケナフの皮をたたきハサミで50cm程の長さに切りソーダ灰を入れ1〜2時間煮る。
手でちぎれるようになったら煮るのをやめ水で洗浄する。

出来た繊維を布の袋に入れ木づちでよく叩く。ふわふわのやわらかい繊維ができたらOK

ハサミで更に細かく切ってミキサーに入れ細かく粉砕する。長いと巻き込む。

水おけに入れ紙すきをする。
参考:火やソーダ灰などを使用しますのでレッティングの方法に比べると環境負荷を伴います。しかし
そうしてつくられる紙を大切にする心が大切
B紙を漉く
金網を張った木枠を使い、タライなどの中にケナフの繊維と粘材を水に溶かしすくう。
紙の厚さが均一に成るように前後左右にゆすりながら漉きます。分子の結合を強くするために繊維
の方向をそろえる作業です。
漉き上がったらよく水切りをして吸水性のよい布などで挟み、重しをかけて乾かします。重しをかける
のも良い紙を作る大切な条件です。イベントなどで早く仕上げたい場合は布などで吸水させながらア
イロンを当てます。また表面のなめらかな紙をつくるために、牛乳パックなどの古紙を細かくちぎり、
ケナフ繊維にまぜミキサーにかけます。
好みで、押し葉や押し花を乗せオリジナルなはがきを作ってみましょう。