知林ヶ島 指宿市西方    TOPへ  情報室へ
 知林ヶ島探訪
 知林ヶ島とは  渡島風景  島内風景 砂州の秘密    M A P
鹿児島湾(錦江湾)の入口付近に浮かぶ知林ヶ島は、湾内で最大の島で、かつては耕作が行われ,人も住んでいたという。指宿市本土の田良浜の沖に位置し、3月から10月頃にかけて、干潮時に長さ約800 mの砂州が出現し、歩いて渡ることができる全国的にもめずらしい島だ。昔は老松が茂り、航海者は夜、この付近を通るのに松風の音を頼りにし、「林を知る」ことから知林ヶ島の名があると伝えられる。島は、霧島屋久国立公園内に位置しており、環境省の「かおり風景100選」にも認定。平成20年度より「自然と人とが共生するいやしの島」を基本方針として環境省による整備が進められている。この日は天候にも恵まれ絶好の島への渡り日で、砂州道の両岸から打ち寄せるさざ波の音と潮風が心地よかった。 
 
 知林ヶ島とは、知林ヶ島の歴史
周囲約3 km、面積約60 ヘクタール、最高点約90 mの無人島で基部は溶結凝灰岩でその上にシラスがのった台地状の島である。かつて島は、管理するために1家族が居住し、船または干潮時の砂州を利用して島に渡り、サツマイモなどの耕作地として利用されていたという。1957年(昭和32年)には灯台が建設され、新林産業(東京)が買収を終わった1976年(昭和51年)に引き上げ、無人島に、現在市が所有。島は、霧島屋久国立公園内に位置しており、環境省の「かおり風景100選」に認定。平成20年度より「自然と人とが共生するいやしの島」を基本方針として環境省による整備が進められている。
 
現地案内板による知林ヶ島紹介
 歩いて渡る地林ヶ島  渡島風景

島へ渡るには砂州出現の十分な事前の情報とその日の海の状況を知る必要がある。砂州出現情報は知林ヶ島基本情報 砂州カレンダー知林ヶ島HPで知ることができた。尚、島にはトイレも自動販売機もないので事前の準備をしっかりして出発することが必要だ。砂州の出現時間は最大4時間ほどで、市の統計によれば1時間以上出現する日は年間190日、2時間以上出現する日は86日だという。 島へ渡る時間は大人の足で20分程かかった。 

 渡島風景
 安心・安全に島へ渡り、帰るために、渡るのにかかる時間、砂州の出現時刻、砂州が消える時刻のチエックと時間厳守が必要
   
  いざ、出発!11:23  知林ヶ島案内・注意事項看板 
 駐車場からエコキャンプ場を通り抜け、砂洲入口の看板で注意事項を確認して出発!
   
 砂州手前の海岸から歩き始め11:25      徒歩・砂州風景  11:33
  砂州道両岸のさざ波の音や潮風が心地よかった。
   
 もうすぐ地林ヶ島目的地  11:42  遂に渡島成功  11:45 
20分程で850mの砂州を渡りきり、渡島成功。渡島記念に知林ヶ島ガイドさんから渡島証明書をいただいた。
 
渡島証明書
1,自然の摂理を理解し、安全に砂州を渡る
2,ごみは捨てず すべて持ち帰る
3,動植物は採らない また持ち込まない
4,島内では禁煙・火気厳禁とする
5,遊歩道をはずれて むやみに歩かない
6,渡島記念の落書きをしない
 渡島証明書に裏書きしてある知林ヶ島憲章
知林ヶ島 島内風景
   
 休憩所風景。砂州を渡りきると木陰の休憩所で一休み。  知林ヶ島案内や注意事項の立て看板
 砂州を渡りきると木陰に休憩所があり、ガイドさんが島の説明や注意等をしてくれた。トイレや自販機はなし。
   
  遊歩道一部の土砂崩れにより島内の周遊が禁止、残念。貝拾いや海岸散策を楽しむ風景が見られた。
   
   島側の砂州より西側の田良岬を望む   島の上空をトビが優雅に舞っていた。
 
 島の砂州より北側の知林小島(面積約0.2 ヘクタール)の小さな島を望む知林ヶ島の松はマツクイムシの影響で枯れてしまっているがこの小さな島の松は元気に育っているという。
 知林ヶ島砂州できかたの秘密
3月から10月の干潮時に長さ約800 mの砂州が出現。この時期には温暖な黒潮の南側から吹く風による風波と東シナ海に向かう北の方向からくる波がぶつかることで、波によって運ばれた土砂が帯状の浅瀬に堆積して砂州ができる。一方、砂州が消える11月から2月の時期は、北の方向から吹く風による風波が堆積した土砂を浅瀬から押し流し、砂州が消える。台風などで洗い流されてしばらくの間出現しなくなることもあるがやがてもとどおりに復元して砂州が現れる全国的に見ても貴重な砂州だ。
 
砂州ができる時期と仕組み現地看板より
 追記:砂州とは
砂州とは、海岸線をやや離れて、海側に細長く砂礫(されき)が堆積(たいせき)してできた地形で潮流・風や河川の運んだ土砂がたまってできる。 砂州には様々な種類があり、湾口砂州・湾央砂州・舌状砂州・環状砂州・河口砂州・陸繋砂州(トンボロとも呼ぶ)などに分類される。
 
2つの島をつなぐ細長い橋のような陸繋砂州に位置する甑島の里町。甑島の里町中心地付近は海底の砂礫が沿岸流によって運ばれ、波の作用によって水面上に現れた陸繋砂州に位置する。 甑島の風景

  「珍島物語」の海割れと砂州
地林ヶ島の砂州のことを書いていると天童よしみが歌う「珍島物語」の出だしの歌詞 を思い出した。
海が割れるのよ 道ができるのよ~
島と島とが つながるのよ~
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珍島の海割れは、春の大潮の時期に、珍島の東、回洞里(フェドンリ)という村から海を挟んで向かい側にある茅島(モド)まで、幅30~40メートル、長さ2.8キロメートルにわたって道が現れる現象だ。1時間ほどでまた潮が満ちてきて、道は海に消えてしまうという。この現象は干満時の差異が一番大きい春の時期の干潮時に回洞里と茅島の間に堆積した砂礫が一時的に現れ、海に道ができたように見え、島と島がつながるように見える。この一時間のドラマを見るために外国の観光客を含め約50万人近くが訪れるという。
地林ヶ島もいつか日本の「珍島」になり、世界中から注目される日がくるかも知れませんね
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  探訪日2013/10/03   更新日2014/03/15
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