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ドヤドヤサー肝付町内之浦

正月明け恒例の伝統行事,「ドヤドヤサー」が毎年、1月7日内之浦地区市街地の下浜で、無病息災、大漁、豊作、商売繁盛を祈願して執り行われる。正月に使用した門松やしめ縄、お札やお守りなどを竹といっしょに燃やす「鬼火たき」の一種で七歳児の厄払いを兼ねて行われる。約15メートルの孟宗竹13本を主柱とし、干支にちなんだ12本の縄を放射状に張り、参加者は12本の縄を誕生月ごとに握る。神事の後、七歳児による火入れ式があり、火興しがスタート。熱風の火照りを感じながら心柱が燃え尽きて倒れるのを待つ。勢いよく燃え上がる火柱で「ドン、ドン」と青竹がはじける度に歓声がわき起こり、心柱が燃え尽きて倒れると人々は一斉に倒れた竹柱に駆け寄り、縁起物や魔除けとされる竹笹や飾りを取り合って、家に持ち帰る。 
 
七歳児による火入れ式があり、いよいよ火興しがスタート 2019/1/7
 ドヤドヤサー風景 2012/1/7
   
 深く掘られた穴には正月飾りや神仏に利用した品物などが次から次へ持ち込まれた。
   
会場は神事や火入れの準備で忙しそうだ。
   
 火入れの時間が近づくにつれ、人出が多くなってきた七草祝いを終えた子どもたちも次々に参加し、会場が一気に華やいだ。
 
 
 神事と七歳児の火入れ式風景
   
勢いよく燃え上がる火柱で、青竹が「ドンドン」とはじける度に「オー」と呼応する。 竹がはじける「爆音」で悪鬼を追い出し、火祭りの熱風を浴びると一年を通して健康に過ごせるという。
   
12本に束ねられた中心竹にはそれぞれ12月までの札がつけられており、集まった人たちは自分の誕生札の縄端を持ち、中心柱が倒れるのを待つ。
   
竹柱が燃え尽きて倒れると、縁起物とされる飾りや竹笹を求めて大勢の人々が集まる。 
   
 飾りや竹笹は魔除けに、孟宗竹は花立てや貯金箱にする習わしがあり、大切に持ち帰られる。
 動画編
 
青竹が花火の音のように「ドンドン」とはじける音をお聞きください。「今年は音の鳴りもよく、いい年になりそうだ」と長老がつぶやいています。「ドヤドヤ」の意味は?。倒れた竹柱の竹笹や竹筒、かざりは魔よけや縁起物として持ち帰られ、祭りは無事終了。
 「ドヤドヤサー」追記
○「ドヤドヤサー」名称の由来は不明だが「どんど正月」「どんど焼き」の「どんど」ではないかと推察される。「どんど」は小正月の前後の行われる火祭り。門松やしめ縄などを持ち寄って焼き、その火で焼いた餅を食べる。名称の由来は「尊(とうど)や尊」という囃子ことばからの転。あるいは火勢の激しさの形容といわれるが定説はない。
○孟宗竹を中心に、周りを12本の小笹竹で括り合わせたものは一年12ヶ月を現し、それぞれの12本のロープを各々自分の生まれた月ごとに持つ。昔はこの縄で引っ張り合いをしていたという。現在では七草祝いの祝いをすませた子どもも一緒にお払いをして、縄の先端を持つ。
○竹の頂上には東西南北の天神地神を招く意の四本の扇で丸型扇が掲げられる。そのほか大漁祈願の五色の布や折り紙などが飾られる。