ケナフ草木染めへチャレンジ

はじめに

1,草木染めとは
・草木染めとは、植物の花、葉、根、皮、果実等を原料にして染色する方法である。
草木染めには直接染料(ちょくせつせんりょう)と媒染(ばいせん)染料がある。直接染料は果実、葉、花のしるを使って直接布や糸を染める方法である。媒染染料は媒染液を使って染色する方法である。
2,染色の種類
・染色の種類には単色染め(無地染め)と多色染め(模様染め)がある。単色染めは、糸または布を一色に染めることであり、多色染めは布の上に模様を染め出していく方法である。
多色染めには、、布の上に直接色を塗って模様を描く「描(か)き絵」と、これを染料にひたして模様をだしていく方法とがある。
3,媒染法の種類
・絞り法
布の一部を竹でしばったり、板で締め上げたり、ビー玉を包み輪ゴムで縛りその部分に染料がしみこまないようにして模様を表出する方法である。
・ろうけつ(ち)法
布地の上に、ろう、のり、ごむなどを置いて置いて防染し、模様を出す方法である。クレヨンも効果的である。
4,布の準備

染める布は絹や木綿、ウールなどの天然せんい、木綿のハンカチ、絹のスカーフなどが手軽です。特に絹は染めムラが少なくて仕上がりがきれいです。しかし絹は値段が高いので初心者には木綿がおすすめ。T/C(ポリエステル/綿)みたいな物にも染まりますが、綿の割合が多い場合は比較的にムラになりにくいですが、合成繊維であるポリエステルの部分には染まりません。

ケナフの花染めその1:かんたんにできる直接染め、たたき染め

媒染剤(ばいせんざい)を使わないで簡単(かんたん)にできます。白い木綿(もめん)のハンカチの上にケナフの花を置き、あて布(または紙)をして上からたたき、汁(しる)をしぼりだしてそめる方法です。布が無いときは和紙を使っても楽しい作品ができます。
ケナフの花を押し花風にしたり、はりつけて作品にするのもおもしろいです。

ケナフの花染めその2:媒染液(ばいせんえき)を使ったケナフ染め

1、布を準備する 2、染料液をつくる
染める布を準備する。
布にのり等の不純物がふくまれていると染めムラができるので苛性ソーダを使って煮る。「精錬」(せいれん)
精錬した布はよく水洗いして使う。
ケナフの花を煮て染料液をつくる。染料液は染めたい布の10倍から50倍。
布の重さが50gなので500gの量の染料液をつくる。ケナフの花20こを1リットルの水で20分間ほどにる。
煮すぎると花がとける。
ざるでこしてにた花を取り除く。
染料液のできあがり 3,染料液で煮ながらそめる
ケナフの花の染料液できあがり 染料液に布をひたす。 染料液の温度を50度から60度を目安にしてにる。30分が目安。むらにならないようにはしや棒で動かしながら煮る
4,媒染液の準備をする 5,発色:媒染液にひたす
焼ミョウバン(食品添加物)硫酸アルミニュウムの名で販売されている。ぬかみそ漬けやごぼうの煮物に使われる。
100g300円前後で販売
ミョウバンは染める布の重さの3パーセントの量。媒染液は水1リットルに10gをとかす。 染料液で煮た布を軽く水あらいし媒染液に10分以上ひたす。
6.水あらい 7、できあがり ミョウバン以外の媒染液の作り方
10 11 ・灰汁(わら灰の上澄み液)の作り方
1,バケツの中でわらをひとたば燃やす。
2、火が消えたら水を入れてまぜる
3,上澄み液を利用する。
・木灰汁の上澄み液
かまどや火鉢などの灰や水に入れてよくかくはんする。ひとばん以上おいた上澄み液を利用する。
・その他生石灰、消石灰などが利用できる。
学校では灰汁やミョウバンが適している。
ケナフの葉染めや根染めもおもしろい。
媒染液から取り出してよく水洗いし薄ければ煮染、媒染の作業を繰り返す。 かげぼしする。いそぐときはアイロンをかける。

染色後の注意点

1.洗濯は出来るだけ手洗いをする。洗濯機で洗う場合でも「弱」で洗う。脱水も「弱」。特にシルクは、デリケートな繊維なので手洗いをする。
2.洗剤は必ず中性洗剤又は中性のせっけんを使用する。せっけんにも種類が色々とあり、普及品の多くは、アルカリ性を示しています。アルカリ(酸性)の石鹸や洗剤で洗うと草木染め染色後でも変色する恐れがあります。

3.乾燥も出来るだけ日光を避ける。