ケナフの葉の不思議(ふしぎ)

中国系ケナフ(温帯地方で栽培)の葉の変化



発芽50日後のケナフ(葉にくびれが見える)

発芽60日後のケナフ(手のひら形)
左の写真は発芽後50日目のケナフです。下の本葉はハート型、本葉5枚目のあたりから
くびれの入った(2裂から3裂)葉が見られます(三裂葉)。さらに不思議なのは発芽後
二ヶ月目あたりから五裂葉が見られるようになります。写真右  
三ヶ月たつと七裂葉とヤツデの葉のようになります。ここにケナフ観察のおもしろさがあります。
なぜだろう:上の方の葉が裂ける理由は太陽エネルギーが無駄なく下葉にも当たる
ようにし炭酸同化作用が効率よく行われるようにするためです。
中国をはじめ、温帯地方で栽培されるケナフ(キューバケナフ)は上写真のように
手のひら形が多いが、丸い葉っぱがアメリカ産ケナフです。大麻の葉と似ているの
で紛らわしいため品種改良されたものです。

「種類,産地のちがいによるケナフの葉のちがい」

発芽実験から3ヶ月後の成長の様子

品種・産地 青皮(チンピー)3号系:
ミャンマー(ビルマ)
青皮(チンピー)3号:
中国(海南島)
地植えした
ケナフ
葉の特徴 葉にくびれあり 葉にくびれあり
品種・産地 青皮(チンピー)3号系:ベトナム 青皮(チンピー)3号:中国(湖南省)
地植えした
ケナフ
葉の特徴 葉にくびれなし 葉にくびれあり
品種・産地 中塾種:中国 (せっ江省) せっ江1号:中国せっ江省)
地植えした
ケナフ
葉の特徴 葉にくびれあり くびれありとくびれなしの両方
品種・産地 everglades(エバーグレイズ)41:
アメリカ
Tainung(タイナン)#2:アメリカ
地植えした
ケナフ
葉の特徴 くびれなし 深いくびれあり
上写真はデータサイズ縮小のため画質を落としています。そのため実際と
色合いがちがっています。

今後、品種や産地のちがうケナフがどう生長するか栽培観察活動を続けます。

ケナフの品種と系統(けいとう)

「青皮三号(ちんぴさんほう)」は、繊維の収穫を目的として中国が改良した品種で一般的に普及している
品種です。キューブケナフ(カナバイナス)といわれ温帯で栽培される北方型です。この特徴は直径が2cm
から3cm、草丈は4mから5m。直径が大きいため外皮である靱皮部とその中心部である木質部を分けて
使うことができます。そのため、木材と同様に製紙原料として有望です。
 ほかに、米国産の「エバーグレード(EG41)がキューバケナフの系統です。
栽培している国:中国、ベトナム、ミャンマー、ラオス、ニューギニア、フイリピン、ネパールマレーシア、
          日本ほか
 もうひとつが、インドやミャンマー、タイで広く栽培されている系統で、通称タイケナフ(サブダリファ)と呼ば
れています。このケナフは東南アジアではローゼルやメスタとも呼ばれ、耐寒性がなく南方型です。
タイケナフの特徴は、とげがなくて成熟すると茎が紅色に変わることです。
栽培している国:タイ、インド、オーストラリアほか