ケナフは筋書きのないドラマを創り、総合的な学習発展への可能性を秘めたおもしろい素材であった。
種を一粒一粒手に持ち、種の観察からスタートした。場所と人数の関係で一人一本の苗を移植して裏校庭のフェンスに沿って植えた。町の学校で日頃子供たちは土にふれる機会が少ないので、除草などケナフの世話が出来るか心配していたがそれも取り越し苦労だった。子供たちは積極的にケナフの観察活動や除草などの世話活動に取り組んだ。
途中台風に出会いほとんど倒れてしまったが土よせして茎を起こし竹で支柱をしたら元気に回復した。
花が咲き始めた9月になるとケナフ園へ足を運ぶ回数も多くなった。そのころになるとキャタツを使っての観察となった。重いキャタツをいちいち運んでの観察は大変だったが子供たちはキャタツの上部に乗り成長したケナフを誇らしげに観察していた。
11月になるとケナフの葉も緑をなくし葉の枚数も少なくなってきた。ノコで刈り取り収穫してその場でレッチング用に皮をはいで水につける作業をした。紙すきの学習だけでなく、工作、ケナフ肥料の実験、ケナフ発表会等色々なことにチャレンジし新しい発見をした。
何よりも励みになったのはホームページでの情報発信と他校との交流だった。
2月に入ると学研から取材の申し入れがあり受けることになった。特集で紹介された記事を見て子供たちは大喜びだった。
「5年生になってもケナフを育てようよ。」「家から古新聞を持ってきてリサイクルしようよ。」子供たちのケナフに対する熱いおもいと元気な声が今も耳から離れない。
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