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串良川上流(高隈川)の上流にある谷田の滝は普段は水量も少なく滝の高さも数メートルと目立つ滝ではないが石畳の甌穴(下記注1)が発達、変形しており、断崖や窪みのある怪巌奇石がおもしろい景観を創りだし、大隅の秘境といった感がある。雨期の水量の多いときは甌穴群の隙間を流れる水流が轟音をともない迫力ある滝景観を創り出す。谷田の滝は江戸時代後期に薩摩藩が編纂した文書「三国名勝図会」にも紹介されており、近くの観音淵中世供養石塔群とともに、地理的・歴史的にも由緒ある場所だ。川の水は谷田発電所の水源にもなっていて水資源としても貴重な場所だ。(下記注2)。最終更新日 2012/07/13 |
水量が多い時の谷田の滝 2012/07/14 |
甌穴が発達し、垂直に切りたった甌穴石畳 |
谷田の滝を目指す |
谷田の滝への道案内
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谷田の橋から200m先にあるふれあいの森への案内標識から右折。500mほど進むとロードミラーと発電所入り口の標識が立つ。 |
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ロードミラーと古ぼけた谷田発電所入り口案内標柱。工事関係の車両が多いので注意が必要。 |
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谷田発電所案内標識板に沿って進み、谷田の滝は写真の場所から右へ入る。 |
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たきを目指して下ると木々の枝間から川の流れと滝の一部が見えてくる。 |
谷田の滝と甌穴群風景 |
雨期の水量の多い時期は、甌穴群の隙間を流れる水流が轟音を伴い迫力ある滝景観を創り出す。 |
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甌穴の発達・変形した怪巌奇石の石畳風景 |
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追記 |
注1:甌穴とは河底や川岸岩盤の表面に生じるほぼ円形の穴でかめ穴、ポットホールともいう。河底や河岸の表面に割れ目や節理があるとそこが水流により浸食されくぼみとなる。このくぼみに小石が入り込むと渦流によってその礫がくぼみの中で回転し、しだいに円形の穴に拡大し、甌穴になると考えられている。谷田の滝の石畳はこの甌穴が発達し断崖や怪巌奇石を形成している。
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谷田発電所 |
発電所敷地から川の流れを望む。 |
注2:谷田発電所は送電開始が大正11年。1秒間に3,0トンの水から出力410KWの電気がおこせる。家庭用蛍光灯40Wの約10000個分。ここで発電された電気は主に笠野原方面に配電される。大隅地方にはこんな水力発電所が8ケ所ある。
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三国名勝図会・文献による谷田の滝紹介 |
谷田の滝は、国土地理院1/25000地図や一般の道路地図には記載されているが、現地案内表示板や説明板もなく観光地としてはいたってマイナーなスポットだ。しかし、薩摩藩が編纂した文書三国名勝図会にも紹介されほどの立派な滝だ。 |
薩摩藩が編纂した文書「三国名勝図会」に記された「谷田瀑布」
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古い文献による谷田滝の紹介 |
午許(12時)より馬のまたがりて谷田の瀑といふをみにゆく。仮屋よりほとほと一里に及ぶぬべし。瀧のところは川の幅10間(およそ20m)ばかりもあらん。すべて巌もてたたみせるやうなるに、幾千世経にけんながらん。こごしき大峻幾すぢとなく水にうがれて、あるは千
尋の谷となり、あるは池をたたへ、糸すじの如く切りとほせるあり、まどかにうがてるあり、あなあやし、あなめだたといひもて、その岩をとびわたりつつのこるかたなく見めぐるに、激淵飛泉、怪巌奇石、千象万態にもこと葉にもつくしがたし。川上の方を見やれば、左右の山せまりあひて、水ゆるく流れて、石などおもしろくならべたらんやうなり。あたりの峯山など名もなき草木のうすく濃くいろづきたるいといとあわれなり。以下続く・・高崎正風伝(鹿屋市史より) (wiki→ 高崎正風) |
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