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海潟・江ノ島垂水市

垂水市海潟は大隅半島中部の鹿児島湾沿岸に位置する。東岸には江ノ島、北岸には桜島を望む風光明媚な景観地にある。海潟漁港は桜島と江ノ島に囲まれた天然の良港で,港沿岸では養殖漁業が盛んである。また、海潟は昔から良質の温泉があることでも有名である。
かっては、江ノ島の景観や海岸を生かしたキャンプ場として活気づいていたが現在はハマチの養殖場として全国的にその名を馳せている。海岸線に沿った平地ではキヌサヤエンドウの早期栽培が行われている。
垂水市海潟の200m沖に浮かぶ江ノ島は、周囲1km、面積49940平方メートル、最高点63mの無人島の小島である。対岸の老松、島の肩越しに桜島をのぞむ江ノ島は昔から天下の景勝地で、もとは弁天島といわれていた。約400年前、関白近衛信輔が、荘園巡視のときにここに立ち寄り、絶景に見とれて「鎌倉の江ノ島に似たり」と感嘆したことから「江ノ島」と呼ばれるようになったといわれる。しかし最近、対岸の老松の枯れ木が目立つようになってきており、かっての景観が失われつつある。
海潟漁港を中心に2001年の冬、話題を呼んだ映画「ホタル」の長期ロケが行われた。桜島がそびえるおだやかな海潟漁港での色々な撮影ロケ現場が保存され、今でも映画を偲んでロケ地跡を訪れる人が多い。
探訪日 2008・10・22  最終探訪日 2013・12・4
海潟風景・温泉 江ノ島風景 江ノ島と公卿石 「ホタル」ロケ地

江ノ島と桜島を望む風光明媚な海潟

目の前に火の島・桜島がそびえ、海岸の沖合は全国でも有数の養殖漁場となっている。

天然の良港海潟漁港映画「ホタル」の長期ロケの拠点となった。

夕日と海潟風景

夕日に映える海潟風景、手前のビニルハウスはキヌサヤエンドウの育苗ハウス

垂水は温暖な気候を利用したキヌサヤエンドウの栽培が盛んだ。ここ海潟も海岸沿いの路地に沿ってキヌサヤエンドウが栽培されている。(08・10・28) 

海潟温泉

海潟温泉は垂水市海潟地区国道220号線に沿った風情のある鄙(ひな)びた温泉郷である。昭和3年に内田鹿太郎氏が掘削を始め、失敗を重ねながらも、明礬(みょうばん)温泉の湧出に成功し、これが海潟温泉の始まりであり、この地域発展の根底となった。戦後しばらくは指宿や霧島と並ぶ温泉地として人気があったが、昔は10軒近くあった旅館やホテルも今は3軒が営業している。泉温は42〜48度の単純硫化水素泉と弱食塩泉で神経痛・リューマチス・ひふ病などにきくという。

ひなびた温泉地、源泉かけ流しの江之島温泉は地元の利用者だけでなく、町内外の温泉通の人達に愛され、人気スポットだ。国道道路沿いに案内板がある。車乗り入れの際は道路が狭いので注意が必要。気さくなおかみさんがあたたかく迎えてくれる。入浴料金は大人200円

江洋館には錦江湾と桜島が見える眺め抜群の露天風呂があり、宿泊施設や宴会場もある。

温泉宿のある江洋館駐車場付近から眺めた江ノ島と桜島ハイビスカスの赤い花が南国の風情を醸しだしている

江ノ島風景

垂水市海潟の200m沖に浮かぶ江ノ島は、周囲1km、面積49940平方メートル、最高点63mの無人島の小島である。対岸の老松、島の肩越しに桜島をのぞむ江ノ島は昔から天下の景勝地として知られ、もとは弁天島といわれていた。

江ノ島の肩越しに望む桜島の風景は今も昔も変わらぬ絶景だ。

桜島を背景に、入江の静かな海岸線と江ノ島を望む。

海岸線に続く老松の隙間から島の肩越しに桜島を望む。ここから眺める風景は昔から天下の景勝地として知られ、「弁天島」の異名を持つ。しかし、ここ数年、枯れ松や後背地砂丘の荒れが目立つようになり、かっての景観が失われつつある。

江ノ島と公卿石

約400年前(1593年頃)、関白近衛信輔が、荘園巡視のときにここに立ち寄り、絶景に見とれて「鎌倉の江ノ島に似たり」と感嘆したことから「江ノ島」と呼ばれるようになったといわれる。この時、関白近衛信輔が腰掛けて江ノ島を眺めた石が残っており、この石は「公卿石・公家石とよばれ史跡として保存されている。前回探訪時(2008年)はこの石は藪の中に隠れていたが今回探訪時(2013年12月)にはきれいに整備されていた。
 
史跡として整備され、保存されている公卿石 2013/12/4  江ノ島と公卿石へ
過去探訪時の公卿石(2008・10・22
 
竹藪と雑草に覆われた案内板を発見

案内柱と「公卿石」

雑草を取り除き、全容を現した「公卿石」
雑感藪をかき分け、やっと案内板を発見することができた史跡の「公卿石」は竹藪と雑草に覆われ、老松の下に隠れていた。海岸一帯から江ノ島と桜島を望むすばらしい景観は昔も今も変わらないが、海岸部後背地のかってキャンプ場でにぎわった老松のある砂丘地は枯れた松や、藪が目立ち、かっての美しい景観はなくなりつつある。「海潟観光ホテル なぎさ荘」も閉館、あたり一帯は荒れ地になっており、寂しい限りだ。時代の推移を感じるが、なんとかかっての元気を取り戻したいものだ。

枯れた老松

元気な老松

映画「ホタル」のロケ地

2001年の冬、話題を呼んだ高倉健・田中裕子主演の映画「ホタル」の長期ロケが海潟漁港を中心に行われた。目の前に桜島がそびえるおだやかな海岸漁港での色々な撮影現場が漁港の一角に保存されている。今でも映画を偲んでロケ地跡を訪れる人が多い。主演夫婦の住居になった民家や劇中に登場する漁船・桟橋・コーヒーを飲みながら談笑したテーブルなど数々のロケセットが見学できる。

映画「ホタル」の長期ロケが行われた海潟漁港
漁港入り口の国道220号線道路沿いに立てられた案内板 漁港内に立てられた映画「ホタル」案内板
コーヒーを飲みながら談笑する場面として要所で使われた場所「夫婦のテーブル」
映画「ホタル」桟橋でのシーン 桟橋ロケ地場所は現在も桟橋として使われている。

漁港の一角に設置された映画「ホタル」のロケ地を紹介する案内板

解説とあらすじは→ホタル - goo 映画

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